あがり症対策のトレーニング・視覚化(ヴィジュアリゼーション)
前回はあがり症対策へのはじめの一歩として呼吸に関するトレーニングを紹介しました。
今日は瞑想の一環である視覚化のトレーニング(英・Visualization)をご紹介します。
目的に応じて様々なやり方があると思いますが、今回紹介するトレーニングの目的は、呼吸のトレーニングと同じく、アドレナリンのせいで昂りすぎた心身を落ち着けることです。
それでは、始めます。
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まず、楽な体勢をとってください。目を閉じるので、始めは座っていた方がやりやすいと思います。
目を閉じます。
次に、自分がとてもリラックスできる好きな場所を思い浮かべてください。
そこはどんな場所ですか?
どんな匂いがしますか?
どんな音がしますか?
例えば風がそよそよ吹いていて、それが皮膚に当たる感覚がしますか?
陽の光は目蓋の裏まで感じられますか?
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その場所でくつろいでみてください。
そこで気持ちの良い時間を過ごせることを、楽しんでみましょう。
数回深呼吸します。
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今、身体や心境の変化はありますか?
やる前と後でどう変わりましたか?
まだ目を閉じたまま、よく感じてみましょう。
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変化をはっきりと認知することができたら、自分のタイミングでゆっくりと目を開けます。
いかがでしたか?
呼吸とは少し別の角度からのアプローチになりますが、これも自分を落ち着けるために有効なテクニックです。
大事なのは、本当に心からリラックスできる、できれば実際に行ったことのある場所を選ぶことと、これ以上できない、というくらい細かく、匂いや音や感触なども想像することです。
私はいつも、天気の良い日のある湖のほとりでくつろいでいるのを想像しています。
毎日これを練習していると、そのうちに脳のシナプスが繋がってきて、これをやると身体がすぐにリラックスできるようになる、という仕組みです。
脳の仕組みについては詳しくないのですが、新しいシナプスができて安定するようになるまでは年単位で時間がかかると聞いたことがあります。それまでは、何も努力をしなければ簡単に古い方の習慣に行ってしまうことになります。
毎日数分間トレーニングを続けるのと同時に、本番時に限らず、不安だな、今落ち着かないな、と感じた時にこれを積極的に試していく必要があります。そこで、「このトレーニングをやって落ち着きを取り戻すことができた」と、脳に覚えさせていくのです。
時間もかかるし途方もない作業のように聞こえるかもしれませんが、継続してコツコツ積み上げていくことこそが最大の近道であると思います。私も余裕のない日はサボってしまったりもしますが、明日またやれば良いやと気楽に考えます。もちろん毎日欠かさずストイックにできれば一番良いですが、それができない私みたいな人は、自分を追い込みすぎないで、でも長い目で見て継続的に練習していきましょう。何年も続けていくために、無理なく自分に一番合ったやり方を見つけていきましょう。
これからも実践的で有益な情報をブログに書いていきたいと思います。
その中からひとつでも二つでも、読者の方が自分に合うトレーニングを見つけることができると嬉しいです。